
目次
「最近、疲れやすくなった」
「ちょっとしたことでイライラする」
「夜中に急に汗をかいて目が覚める」
こうした症状に悩んでいませんか? もしかすると、それは「更年期」によるものかもしれません。
更年期は、多くの人が経験するホルモンバランスの変化によるライフステージの一つです。しかし、症状の現れ方には個人差があり、「なんとなく調子が悪い」と感じる程度の方もいれば、日常生活に支障をきたすほどの不調に悩まされる方もいます。
「この症状は更年期のせいなの?」「何か対策はある?」と疑問を感じる方も多いでしょう。
この記事では、更年期の症状や原因、対策について専門医が詳しく解説します。自分に合った対策を知ることで、不調を軽減し、快適な毎日を過ごすためのヒントを見つけましょう。”
当院では、今症状がある方はもちろん、この先の不安や、過ごし方に迷う方も、当院でゆっくりと話して、少しでも安心を得ていただけるよう気軽になんでも相談していただける雰囲気づくりを心がけております。 【板橋区】前野町つばめクリニック院長 |
そもそも「更年期」とは?
更年期とは、加齢に伴いホルモンバランスが変化することで、さまざまな体調の変化が起こる時期のことを指します。
特に、女性では閉経前後の約10年間(一般的に40代後半~50代前半)にあたりますが、個人差が大きく、早い人では30代後半から症状を感じることもあります。
女性の更年期
女性の更年期は、卵巣の機能が低下し、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少することで起こります。これにより、ホルモンのバランスが崩れ、身体的・精神的なさまざまな症状が現れます。
男性の更年期もある?
更年期と聞くと女性の問題と思われがちですが、実は男性にも更年期があります。男性の場合は、加齢によるテストステロン(男性ホルモン)の低下が原因で、やる気の低下、疲労感、抑うつ、筋力の低下などの症状が出ることがあります。これを「男性更年期障害(LOH症候群)」と呼びます。
「年齢のせいかな」と放置しがちですが、適切なケアを行うことで症状を和らげることができます。
次の段落では、更年期に現れる具体的な症状について詳しく見ていきましょう。
更年期の症状とは?
更年期に現れる症状は身体的なものと精神的なものに分けられます。
症状の出方や程度には個人差があり、「ほとんど気にならない」という方もいれば、「日常生活に支障が出るほどつらい」という方もいます。ここでは代表的な症状を紹介します。
身体的な症状
ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)
・突然顔が熱くなる
・大量の汗をかく(特に夜間)
動悸・息切れ
・急に心臓がドキドキする
・ちょっとした動作で息が上がる
めまい・ふらつき
・立ちくらみが起こりやすい
・頭がふわふわするような感覚
関節痛・筋肉痛
・手指のこわばりや痛み
・肩こりや腰痛がひどくなる
疲労感・倦怠感
・常にだるさを感じる
・朝起きてもスッキリしない
精神的な症状
イライラしやすくなる
・ささいなことで怒りっぽくなる
気分の落ち込み
・やる気が出ない
・理由もなく不安になる
集中力の低下・物忘れ
・話の内容をすぐに忘れる
・集中できず仕事のミスが増える
不眠・睡眠の質の低下
・寝つきが悪い、夜中に目が覚める
・眠りが浅く疲れが取れない
これらの症状は、エストロゲン(女性ホルモン)の減少によって自律神経が乱れることが主な原因です。
しかし、症状が長引いたり悪化したりすると、別の病気が隠れている可能性もあります。次の段落では、更年期の原因について詳しく解説します。
更年期の原因とは?
更年期の症状が起こる主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によるホルモンバランスの変化です。しかし、それだけではなく、ストレスや生活習慣も関係しています。ここでは、主な原因を詳しく解説します。
エストロゲンの減少
エストロゲンは、女性の体を健康に保つ重要なホルモンで、以下のような働きをしています。
自律神経の安定 → 精神的な安定や血流の調整
骨密度の維持 → 骨粗しょう症の予防
血管の健康維持 → 動脈硬化の予防
しかし、40代後半からエストロゲンの分泌量が急激に減少することで、これらの働きが低下し、さまざまな症状が現れます。
自律神経の乱れ
エストロゲンが減少すると、脳の視床下部(自律神経をコントロールする部位)が混乱し、体温調節や血圧の調整がうまくできなくなることがあります。
これにより、のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)、動悸、めまいなどの症状が起こりやすくなります。
ストレスや環境の変化
更年期の時期は、仕事や家庭環境が変化しやすい時期でもあります。
子どもの独立や親の介護
仕事の責任が増える
体力の低下による不安
こうしたストレスが重なると、自律神経がさらに乱れ、症状が悪化することがあります。
生活習慣の影響
食生活の乱れや運動不足、睡眠の質の低下も更年期の症状を悪化させる原因となります。
特に、喫煙や過度な飲酒、偏った食事はホルモンバランスを崩しやすく、注意が必要です。
更年期の症状を軽減するには、ホルモンバランスを整える生活習慣や適切な対策が重要です。次の段落では、更年期の予防と対策について詳しく解説します。
更年期を予防する方法
更年期の症状を和らげるには、生活習慣の改善や適切な治療が重要です。
食生活を見直す
・大豆製品(イソフラボン)を摂る → エストロゲンの働きを助ける
・カルシウム・ビタミンDを意識する → 骨の健康を維持
・バランスの取れた食事を心がける → 体調を整える
適度な運動を習慣にする
ウォーキングやヨガなどの軽い運動を取り入れることで、自律神経のバランスを整え、ストレスを軽減できます。
質の良い睡眠を確保する
・寝る前のスマホ・カフェインを避ける
・規則正しい生活を送る
・リラックスできる環境を整える
ストレスを溜め込まない
趣味の時間を作ったり、周囲に相談することで、ストレスを和らげることができます。
クリニックでの相談も検討する
更年期症状がつらい場合は、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬などの治療も選択肢になります。
前野町つばめクリニックでの更年期の診断
前野町つばめクリニックでは、更年期の症状でお悩みの方に対して、丁寧な問診と必要な検査を行っています。
具体的には、現在の症状や生活環境、過去の病歴などを詳しくお聞きし、必要に応じてホルモン検査や血液検査を実施します。
更年期症状は他の疾患と似た症状を呈することもあるため、正確な診断により、適切な治療方針を立てることが大切です。
「なんとなく不調が続いている」「年齢のせいかもしれない」と思っている方も、お気軽にご相談ください。
前野町つばめクリニックでの更年期の治療
診断結果に基づき、前野町つばめクリニックでは患者様一人ひとりに合った治療を提案しています。
主な治療法には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬の処方、サプリメントの活用、生活習慣改善のサポートなどがあります。
また、必要に応じて心理面のサポートも行い、身体的・精神的な両面から症状の緩和を目指します。
無理なく取り入れられる方法を一緒に考えながら、つらい更年期の時期を前向きに乗り越えていくお手伝いをします。
前野町つばめクリニックの治療方針
前野町つばめクリニックでは、「患者様がご自身の体と向き合い、自分らしく健やかな毎日を過ごせること」を治療のゴールとしています。
更年期に伴う不調は、個々のライフスタイルや価値観に応じたきめ細やかな対応が必要です。
私たちは、一方的な治療を押しつけるのではなく、患者様との対話を重視しながら、一緒に治療方針を決めていきます。
症状の程度やご希望に合わせたオーダーメイドのケアを心がけていますので、どんな些細なお悩みもご相談ください。
この記事の筆者 |
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前野町つばめクリニック 院長 佐々 達郎 東京大学医学部大学院医学系研究科 内科学 博士課程修了 |