目次
「朝から、ズキンズキンと頭が痛む」
「仕事中に突然、後頭部、こめかみ、額を中心に締め付けられるような痛みがやってくる」
「頭痛と一緒に吐き気もする」
こんな頭痛に悩まされることはありませんか?頭痛が原因で集中力が低下したり、生活の質が下がってしまうと感じている方も多いでしょう。しかし、頭痛の種類や対策について知っておくことで、痛みを和らげる方法が見つかるかもしれません。
頭痛は一見、日常的な症状に思えますが、実はさまざまな原因で頭痛が引き起こされている可能性があります。特に、頭痛が頻繁に起こったり、生活に支障をきたすほどの痛みがある場合、自己判断で済ませずに医師の診断を受けることが大切です。当クリニックでは、症状に応じた検査や適切な治療を提供しております。ぜひ一度ご相談ください。
当院では、今症状がある方はもちろん、この先の不安や、過ごし方に迷う方も、当院でゆっくりと話して、少しでも安心を得ていただけるよう気軽になんでも相談していただける雰囲気づくりを心がけております。 【板橋区】前野町つばめクリニック院長 |
頭痛は何故起こる?
頭痛は、頭部の血管、神経、筋肉などに刺激が加わり、その刺激を痛みとして感じる部分で反応することによって発生します。
頭痛には、一次性頭痛(慢性頭痛)と二次性頭痛の二つの種類があります。
一次性頭痛は、特定の病気や怪我が原因ではなく、生活習慣や環境の影響で生じる頭痛です。
例)ストレス、睡眠不足、気温や湿度の変化、ホルモンバランスの乱れ
多くの場合、一時的であるため自己管理が可能ですが、症状が頻繁に現れたり、生活に支障をきたすようであればクリニックの受診が望ましいです。
二次性頭痛は、他の疾患や怪我が原因で起こる頭痛で、緊急の対応が必要な場合もあります。
例)感染症、脳の異常、外傷、高血圧
こうした頭痛は早急な医師の診断と治療が必要であり、放置すると症状が悪化するリスクがあるため、注意が必要です。
頭痛の原因や種類について理解しておくことは、自身の頭痛がどのタイプにあたるのか、またどのように対処するべきかを判断する上で役立ちます。どちらの頭痛も軽視することなく、適切な予防や対策をとることが重要です。
頭痛の症状とは?
一次性頭痛は、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つが代表的で、3大慢性頭痛と呼ばれています。それぞれの症状の特徴を説明します。
片頭痛(血管性頭痛)
こめかみ付近、または片側の頭部で局所的にズキズキと脈打つような痛みが特徴で、頭痛が数時間から数日にわたって続く場合もあります。特に、光や音に敏感になり、吐き気や嘔吐を伴うことも多く、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
緊張型頭痛(筋肉収縮性頭痛)
頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが特徴です。肩こりや首の張りといった筋肉の緊張が関係しており、デスクワークやストレスによって悪化することがあります。症状は比較的軽いことが多く、日常生活に支障をきたさない場合もありますが、頻繁に発生するときは注意が必要です。
群発頭痛
目の奥が激しく痛むのが特徴で、通常片側にのみ生じ、涙や鼻水を伴うことが多いです。発作は特定の時間帯に集中的に現れる傾向があり、日常生活に大きな影響を与えます。群発頭痛は発生頻度が少ないものの、非常に強い痛みが特徴です。これらの症状の違いを知り、頭痛のタイプを理解することが、対処法を見つけるための第一歩になります。
一方で、二次性頭痛は別の疾患が原因で起こる頭痛です。代表的な症状として、脳内出血や脳腫瘍が関与している場合の急激な激しい痛み、また高熱や首の硬直を伴う髄膜炎などが挙げられます。これらの頭痛は、突然の激しい痛みが特徴で、早急に医師の診断が必要です。
頭痛の原因とは?
頭痛の原因は、一次性頭痛と二次性頭痛で異なり、発症する背景にはさまざまな要因があります。
一次性頭痛の原因には、日常生活における習慣や外部の環境的な要素が関係していることが多く、一方、二次性頭痛は、他の疾患や身体の異常が原因で引き起こされます。
一次性頭痛
まずは一次性頭痛の原因について説明します。
片頭痛
血管の拡張や脳内の神経の過敏な反応が原因とされ、ストレスや睡眠不足、特定の食べ物(チョコレートやアルコールなど)がトリガーになることが多いです。
また、天候や気圧の変化も片頭痛の発作を誘発しやすいとされています。
緊張型頭痛
デスクワークや長時間のスマホ操作などによる首や肩の筋肉の緊張が大きな要因です。
姿勢が悪く、肩や首の筋肉が凝り固まると、血行が悪くなり、鈍い痛みが頭全体に広がります。
精神的なストレスも緊張型頭痛の引き金となりやすく、疲労や睡眠不足が続くと発症リスクが増します。
群発頭痛
群発頭痛の原因ははっきりとは解明されていませんが、脳内の視床下部が関係している可能性があると考えられています。
アルコールや強い光、匂いなどが引き金になることが多く、特に男性に多く見られる症状です。
以上、一次性頭痛の原因でした。引き続き、二次性頭痛の原因について説明します。
二次性頭痛
他の疾患や身体の異常が原因で引き起こされます。たとえば、髄膜炎などの感染症では、発熱や首の硬直とともに激しい頭痛が生じることがあり、脳内出血や脳腫瘍が原因となる場合は、突然の強烈な痛みや吐き気を伴うことが多いです。
それでは、二次性頭痛の原因となる代表的な疾患について詳しく説明します。
くも膜下出血
くも膜下出血は、脳のくも膜下腔での出血が原因で発生する頭痛です。
突然発生する強烈な痛みが特徴で、「ハンマーで殴られたような痛み」と表現されることもあります。
くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂などが原因となることが多く、迅速な診断と治療が必要です。また、吐き気や意識障害を伴うことがあり、生命に関わる重篤な状態です。
脳出血
脳出血も二次性頭痛の重大な原因の一つです。
脳内の血管が破れることで出血が起こり、激しい頭痛や意識障害、片側の手足の麻痺などを引き起こします。
このような場合、早急な医療介入が必要で、治療の遅れは命に関わることがあります。
高血圧が主なリスク要因であり、予防のためには血圧管理が重要です。
脳腫瘍
脳腫瘍が原因の頭痛は、腫瘍が脳内で神経や血管を圧迫することで発生します。
頭痛は腫瘍の大きさや部位によって異なりますが、朝に悪化しやすいのが特徴です。
また、吐き気や嘔吐、視力の低下、痙攣発作などが伴うこともあります。
腫瘍の成長に伴い頭痛が徐々に悪化するため、慢性的な頭痛が続く場合は早めに医師の診察を受けるべきです。
髄膜炎
髄膜炎は、脳や脊髄を包む髄膜に炎症が起こる疾患です。
発熱、首の硬直、意識障害を伴う激しい頭痛が典型的な症状で、細菌やウイルスの感染が原因となります。
放置すると命に関わるため、早急な診断と治療が必要です。特に、細菌性髄膜炎の場合は抗生物質による治療が不可欠です。
側頭動脈炎(膠原病)
側頭動脈炎は、側頭部にある動脈の炎症によって発生する疾患で、高齢者に多いのが特徴です。
この病気による頭痛は、側頭部や額の痛みとして現れます。
側頭動脈炎が進行すると、視力障害や失明のリスクも伴うため、早期の診断と治療が求められます。
リウマチ性疾患との関連性が指摘されており、ステロイド治療が一般的です。
副鼻腔炎
副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)は、鼻の周囲の副鼻腔に炎症が起こることで発生します。
炎症による圧迫感や痛みが前頭部や顔面に感じられることが多く、特に前屈した際に症状が悪化する傾向があります。
副鼻腔炎は風邪が長引くことで引き起こされることも多く、抗生物質治療や鼻洗浄が効果的です。
高血圧性頭痛
急激に血圧が上昇した場合、頭痛が発生することがあります。
特に、「高血圧緊急症」と呼ばれる状態では、頭痛のほかに胸痛、呼吸困難、視覚障害が見られることがあります。
放置すると心血管系の重大な合併症につながるため、迅速な治療が必要です。
頭部外傷
頭部外傷による頭痛は、事故や転倒による脳の損傷(脳震盪や脳挫傷)が原因です。
外傷後に頭痛だけでなく吐き気、意識混濁、言語障害が見られる場合は、脳内出血や血腫が疑われます。
外傷後の頭痛が長期間続く場合、「慢性外傷後頭痛」として治療が必要なケースもあります。
薬剤誘発性頭痛
長期間にわたり鎮痛薬を使用し続けることで引き起こされる頭痛です。
いわゆる「薬剤乱用頭痛」とも呼ばれ、鎮痛薬の過剰使用によって脳が薬に依存し、頭痛が慢性化します。
鎮痛薬を中止することで改善することが多いですが、その際一時的に頭痛が悪化する場合もあります。
頭痛の予防方法
生活習慣の見直し
頭痛の予防には、生活習慣を見直すことが有効です。
十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを作ることが大切です。睡眠不足や不規則な生活は体に大きな負担をかけ、頭痛が発生しやすくなります。
また、日々の食事内容を見直すことも頭痛予防には、有効です。栄養バランスの取れた食事を心がけ、アルコールを摂取しすぎないよう意識しましょう。
さらに、カフェインの摂取量にも注意が必要です。適度なカフェインは血管を収縮させ、頭痛を緩和することがありますが、過剰に摂取すると逆に頭痛を引き起こす場合があります。
特に、日常的にカフェインを多く摂取している人が急に摂取をやめると、「カフェイン離脱性頭痛」と呼ばれる頭痛が発生することもあります。コーヒーやエナジードリンクを習慣的に摂取している方は、その量やタイミングに注意しましょう。
心身のリフレッシュ、適度な休息
日々のストレスを緩和するために、適度な運動や深呼吸、ストレッチを行い、心身の緊張をほぐしましょう。緊張型頭痛には、肩や首周りの筋肉をほぐすことが予防につながります。
特に、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用が続く場合、こまめに休憩を取り、姿勢を整えることも頭痛の予防に効果的です。
それでも改善しない場合や、症状が頻繁に現れる場合は、医師の診断を受けることが重要です。頭痛が起こる頻度や症状の強さは人それぞれ異なりますので、自己判断せず、必要に応じて医師の助言を仰ぎましょう。
【板橋区】前野町つばめクリニックでの頭痛の診断
まずは頭痛が初発なのか、繰り返しているのかが、大きなポイントになります。初発または最近始まったばかりの頭痛は二次性頭痛の可能性も考えます。
頭痛の診察の際は、重篤な疾患による二次性頭痛を疑うヒントとなるレッドサインがいくつかあります。
①突然発症
②人生最悪の症状
③いつもと様子の違うor新規の症状
④増悪傾向
⑤50歳以降に初発の症状
⑥神経症状や視野障害を伴う
⑦癌や免疫不全をもつ患者
⑧精神症状を伴う
⑨発熱、項部硬直(首が固まる)10体位で変化する症状
これらを有する患者さんは二次性頭痛が疑わしくなります。
まずはくも膜下出血や脳卒中、髄膜炎など、命に関わる重篤な疾患が隠れていないかを確認します。特に上記の①②④を満たすものは注意が必要です。
それらが疑わしい兆候があったら、高次医療機関へ速やかに紹介・搬送します。
次に、その他の頭痛の原因となる疾患の検索を行います。
感染症や膠原病、貧血、低血糖、帯状疱疹などの皮膚疾患、頚部疾患、睡眠時無呼吸、副鼻腔炎、うつ病なども頭痛の原因になります。問診と診察と必要に応じて検査を交えて、それらの有無を判断していきます。
必要に応じて頭部の画像検査を近隣医療機関に依頼させていただくこともあります。
繰り返している頭痛や新規でもレッドサインを認めない際は一次性頭痛を疑って診察を進めます。
【板橋区】前野町つばめクリニックでの頭痛の治療
一次性頭痛の治療は投薬と生活指導が中心となります。
アセトアミノフェンやロキソニンを代表とする鎮痛剤は一次性頭痛全般に使えます。漢方薬などを用いることもあります。
疾患特異的な薬剤もあり、特に片頭痛の治療薬は年々選択肢が増えているので、昔から苦労されている患者さんにも効果が期待できるものもあります。
生活指導はアルコールやカフェイン摂取を控えることや、睡眠指導、パソコン作業などの時間制限などがあります。
規則正しくストレスの少ない生活を送ることは、頭痛治療の大事なポイントです。
【板橋区】前野町つばめクリニックの治療方針
同じ疾患による頭痛でも、患者さんごとに感じ方は異なりますし、クリニックで上手く伝えることが難しいこともあります。
長年良かれと思って行なっている治療が、実は合っていなかったり、もっと効果的な方法があることもあります。
前野町つばめクリニックでは患者さん一人ひとりのエピソードをよく聞き、隠れた悩みを汲み取ることで、より正確な診断と治療ができると考えています。
治療の方法も投薬の有無に関わらず、患者さんの症状や生活状況に合わせて提供できるよう心がけています。
頭痛でお悩みの方は、いつでも相談にいらっしゃってください。
この記事の筆者 |
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前野町つばめクリニック 院長 佐々 達郎 東京大学医学部大学院医学系研究科 内科学 博士課程修了 |