会社や区民健診の結果に「要再検査」「要精密検査」と書かれていると、不安になりますよね。再検査が必要かどうかや受診の緊急度は項目によって異なりますが、放置してはいけないケースもあります。
本記事は、総合内科専門医が、健診後にまず確認したいポイントと受診の目安、当院で対応できる再検査、持ち物・費用の考え方までを、わかりやすく解説します。

こんな方におすすめです
血圧・血糖・脂質・肝機能・尿で要再検査になった方
心電図や胸部レントゲンの異常でどこに相談すべきか迷っている方
会社への提出書類や“再検査結果”の扱い、保険診療になるのか知りたい方
迷ったら、まずは内科でご相談ください。
当院では、今症状がある方はもちろん、この先の不安や、過ごし方に迷う方も、当院でゆっくりと話して、少しでも安心を得ていただけるよう気軽になんでも相談していただける雰囲気づくりを心がけております。
【板橋区】前野町つばめクリニック院長


健康診断結果、要再検査・要受診・要精密検査の違い

健診結果の用語は発行主体(会社・保険者・健診機関)によって表記が異なることがありますが、受け取るべき意味は概ね次のとおりです。
要再検査
条件(空腹・採血時間・服薬状況など)を整えて、数日〜数週間以内に同等の検査をやり直すことを勧める判定。生活習慣の見直し指示が添えられることがあります。
要受診
医療機関での評価・管理(受診)を要するという意味。再検査に加え、治療や継続フォローが前提です(「要医療」と表記される場合もあります)。
要精密検査
画像・内視鏡・生理検査などの二次検査で、病気の有無をより正確に調べる必要があるという判定。例:便潜血陽性→大腸内視鏡、心電図異常→心エコーやホルターなど。
結果票の文言が「精密検査を受けてください」「治療を受けてください」などと具体的な助言を含む場合は、結果票を持参して医療機関へ。また「経過観察(C)」と書かれていても、“◯か月後に再検査”のように時期を決めて再評価するのが大切です。


健康診断の再検査はいつ受診すべき?緊急度の目安

健診で「要再検査」「要精密検査」となった後の受診タイミングは迷いやすいもの。まずは大きく3段階で考えましょう。
今すぐ(救急受診)
強い胸痛・突然の激しい息切れ、意識が遠のく/倒れる、片側の手足が動かしにくい・ろれつが回らない、黒色便や吐血、動悸に失神を伴う――など、生命に関わる可能性がある症状があるとき。
1〜2週間以内に受診
心電図や胸部レントゲンで異常を指摘された、高血圧・高血糖・肝機能・腎機能・尿異常などが明らかな逸脱で出た、症状(動悸・息切れ・むくみ・体重減少など)が続いている/悪化しているとき。
数週間以内に再評価
脂質や軽度の肝機能など軽度の異常で、空腹でない採血・採取時間帯・服薬の影響など条件の影響が考えられるとき。条件を整えて再検査し、必要に応じて生活改善を始めましょう。
受診先に迷う場合は、まず内科でご相談ください。
健診結果票をお持ちいただければ、必要な追加検査(心電図・心エコー・血液/尿・胸部X線・24時間血圧など)を院内で実施し、消化器内科・循環器内科などの専門科紹介もスムーズに行います。


健康診断の再検査:項目別に、「どうすればいいか?」

健診で「要再検査」「要精密検査」となっても、まずは落ち着いて“何を・どの順番で”確認することが大切です。ここでは代表的な指摘項目ごとに、総合内科の立場からどうすればいいかをわかりやすく整理します。
心電図(ECG)に異常が出た場合
結果票と当日の体調(発熱・脱水・睡眠不足・カフェインなど)を振り返り、院内で12誘導心電図を取り直します。必要に応じてホルター心電図(24時間)や心エコーでリズム・心筋の状態を確認。電解質異常や甲状腺機能が疑わしければ採血も行います。胸痛や失神を伴う場合は早めの受診が目安です。
胸部レントゲンで異常を指摘された場合
咳・痰・発熱など症状の有無を確認し、体位や呼吸位の影響を除く目的で再撮影を行うことがあります。影の性状や過去画像との比較で評価し、炎症が疑わしければ採血や治療、結節や肺門異常が持続する場合はCT検査を紹介します。喫煙歴や職業歴などの情報も重要です。
血圧が高かった場合
当日だけの高値や白衣高血圧を考え、家庭血圧(朝晩1〜2週間)を記録します。必要に応じて24時間血圧測定(ABPM)で日内変動を確認。頭痛・めまい・動悸が強い、または非常に高い血圧が続く場合は早めの受診を。並行して塩分・体重・アルコール・睡眠など生活習慣を見直します。
血糖・HbA1cが高かった場合
採血条件(空腹かどうか、採血時間、服薬)を整えて空腹時血糖とHbA1cを再測定。結果と生活背景から管理方針を決め、必要に応じて尿糖・腎機能・脂質も確認します。口渇・多尿・体重減少などがある、または著明な高値なら早めの受診を。
脂質(LDL・HDL・中性脂肪)が異常の場合
中性脂肪は食後で上がりやすいため、まず空腹での再採血を。LDL・HDLのバランスや他のリスク(喫煙・家族歴・血圧・血糖)を加味して総合評価し、食事・運動から開始。必要に応じて薬物療法を検討します。
肝機能(AST/ALT・γ-GTP)が高い場合
飲酒量、内服薬・サプリ、肥満・脂肪肝の有無を丁寧に確認。条件を整えて再採血し、推移で判断します。持続する場合は腹部エコーやウイルス性肝炎のチェックを行い、原因に応じて管理します。
腎機能(Cr/eGFR)・尿異常(蛋白・潜血・糖)の場合
早朝尿での再検査がポイント。蛋白尿は運動や脱水で一過性に出ることがあるため、条件を整えて再評価します。潜血が続く場合は尿路感染や結石、腎・泌尿器の疾患を鑑別し、必要に応じて腎エコーや泌尿器科へ紹介。肉眼的血尿がある場合は早めの受診を。
便潜血が陽性だった場合
症状の有無にかかわらず、消化器内科での大腸内視鏡が推奨されます。痔出血でも陽性になることはありますが、ポリープ・大腸がんの可能性を確かめる検査として内視鏡が必要です。内視鏡予約や紹介は当院で調整します。
貧血(ヘモグロビン低値)を指摘された場合
再採血(血算・鉄関連検査など)でタイプを見極めます。月経の影響や食事内容、服薬歴を確認し、必要に応じて消化管出血の精査(便潜血・内視鏡)を検討。めまい・動悸・息切れが強い場合は早めの受診が目安です。


当院で実施できる健康診断の再検査(院内対応・連携)

院内で実施可能
12誘導心電図/ホルター心電図(24時間)/心エコー(心臓超音波)/胸部X線/24時間血圧測定(ABPM)/血液検査(HbA1c・脂質分画・肝腎機能・甲状腺・電解質・炎症反応など)/尿検査(沈渣を含む)/腹部エコー(肝・胆・膵・腎)
連携で実施
CT・大腸内視鏡・必要な専門科(消化器・循環器・呼吸器・泌尿器)への紹介
検査は結果票の内容と症状をもとに優先順位をつけて提案します。予約が必要な検査は院内で手配し、結果の説明は医師がわかりやすく口頭+結果票への転記まで行います(会社提出用の所定様式があればご持参ください)。


健康診断の再検査の流れと持ち物(結果票・保険証・お薬手帳など)

持ち物
健診結果票/健康保険証(各種受給者証)/お薬手帳(サプリ・市販薬も)/家庭血圧の記録(該当者)/症状メモ(発症時期・きっかけ・経過)
来院後は、結果票の確認→診察→必要な再検査を同日に実施できる範囲で行います。採血がある場合は空腹で来院すると評価がスムーズです(中性脂肪・血糖など)。尿検査は院内で採取できます。検査内容により当日の運動・食事制限や服薬調整が必要なことがあるため、受付時にご案内します。


健康診断の再検査の費用はいくら?保険適用と自費の目安

多くの再検査・精査は保険診療の対象
健診で異常を指摘され、医師の判断で医学的に必要な検査・治療を行う場合は保険診療の対象になります。
一方、診断書・会社提出用書類の作成料は自費となります。
具体的な自己負担額は、実施する検査の組み合わせと負担割合(1〜3割)で変わります。
初診時に概算をお伝えし、想定外に費用が膨らむ検査は事前にご相談のうえで実施します。会社指定フォームへの記入も対応しますので、様式の原本をご持参ください。


健康診断の再検査Q&A:何科に行く?いつまでに?食事は?

Q1. 何科に行けばいいですか?
まずは内科にお越しください。結果票と症状を踏まえて必要な再検査を院内で行い、循環器(心電図異常)、呼吸器(胸部レントゲン異常)、消化器(便潜血陽性・肝機能異常)、泌尿器(持続する尿潜血・蛋白)などへ適切に紹介します。
Q2. 再検査はいつまでに受ければ良いですか?
目安は1〜2週間以内。軽度の脂質・肝機能などは数週間以内に条件を整えて再評価します。胸痛や失神を伴う、著明な高血圧・高血糖などは早めの受診を。結果票に期限が書かれている場合はその期日を優先してください。
Q3. 再検査の前は食事を抜いた方がいい?
採血がある場合は前日夜以降の絶食(目安8時間)が望ましい項目があります。水・お茶は少量なら可。脂質や血糖の正確な評価のため、当日朝の甘味飲料は避けてください。服薬は種類により調整が必要なことがあるため、自己判断で中止せずお薬手帳をお持ちください。
Q4. 会社に提出する“再検査結果”はどう扱いますか?
結果票をご持参いただければ、医師が所定様式に記入します。用紙に指定があれば原本をお持ちください。書類作成料は自費です。提出期限がある場合は受付時にお知らせください。
Q5. 保険診療は使えますか?
健診で異常を指摘され、医師の判断で医学的に必要な検査・治療を行う場合は保険診療の対象です(負担割合1〜3割)。健診そのものの費用や、任意の追加検査・各種証明書は自費になることがあります。
Q6. 風邪や発熱があった後は、いつ再検査すべき?
発熱や脱水が落ち着いた1〜2週間後に再検査すると、数値のぶれを減らせます。急ぎの評価が必要な場合はこの限りではありませんので、まず受診してご相談ください。
Q7. 妊娠中・授乳中でも再検査できますか?
多くの採血・超音波は評価可能です。X線やCTは原則慎重に扱いますので、妊娠の可能性があれば必ず事前に申告してください。必要時は安全な代替検査や時期を医師が検討します。
Q8. サプリや市販薬はやめた方がいい?
自己判断で中止しないでください。内容によっては検査値に影響するものもあるため、お薬手帳や現物をご持参のうえ、医師が要否を判断します。


まとめ|健康診断で再検査が必要になったときは

結果票に「要再検査」「要精密検査」と記載されたら、まずは受診の緊急度を確認しましょう。
強い胸痛や突然の激しい息切れ、意識障害、黒色便などがある場合は救急受診が優先です。そうでなければ、心電図・胸部X線の異常や著明な高血圧・高血糖などは1〜2週間以内の受診を目安に、脂質や軽度の肝機能異常など条件の影響が考えられるものは数週間以内に条件を整えて再評価する、という流れが基本です。
受診の際は健診結果票・健康保険証・お薬手帳(家庭血圧の記録があれば併せて)をご持参ください。
当院では結果の確認から必要な再検査(心電図、心エコー、血液・尿、胸部X線、24時間血圧など)まで院内で対応し、内容に応じて消化器・循環器・呼吸器・泌尿器などの専門科へ円滑に連携します。
多くの再検査・精査は保険診療の対象で、会社提出用の書類作成は自費となります。提出期限や記載様式があれば受付にお知らせください。


前野町つばめクリニック

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