「いびき」は病気のサイン?睡眠時無呼吸症候群の原因・症状・治療法を解説!|前野町つばめクリニック|本蓮沼駅・ときわ台駅最寄りの内科・循環器内科

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「いびき」は病気のサイン?睡眠時無呼吸症候群の原因・症状・治療法を解説!

「いびき」は病気のサイン?睡眠時無呼吸症候群の原因・症状・治療法を解説!|前野町つばめクリニック|本蓮沼駅・ときわ台駅最寄りの内科・循環器内科

夜、家族から「いびきがうるさい」と言われたことはありませんか?

もしくは、「朝起きても疲れが取れない」「日中に強い眠気を感じる」ことはないでしょうか?

こうした症状は、単なる「いびき」ではなく『睡眠時無呼吸症候群(SAS)』が関係している可能性があります。

日本では、いびきをかく人の割合は男性24%、女性10%と、多くの人が経験するものですが、実はその中には健康に悪影響を及ぼす危険ないびきもあります。

特に、睡眠時無呼吸症候群を伴ういびきは、高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などのリスクを高めることが知られています。また、睡眠の質が悪くなることで、集中力の低下や日中の眠気が原因で事故を起こす危険性もあります。

この記事では、「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群」の原因や症状、そして改善策について詳しく解説します。「ただのいびきだから」と軽く考えず、適切な対処をすることが大切です。ご自身やご家族の健康のためにも、ぜひ最後までお読みください。

当院では、今症状がある方はもちろん、この先の不安や、過ごし方に迷う方も、当院でゆっくりと話して、少しでも安心を得ていただけるよう気軽になんでも相談していただける雰囲気づくりを心がけております。

【板橋区】前野町つばめクリニック院長

そもそも「いびき」「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」とは?

いびきとは?

いびきは、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなり、呼吸の際に喉の組織が振動することで発生する音です。疲れているときやお酒を飲んだ後にいびきをかきやすくなるのは、筋肉が緩んで気道が狭くなるためです。

いびきには、「軽いいびき」と「病的ないびき」があります。

軽いいびき:体調や寝る姿勢によって発生し、健康への影響は少ない。

病的ないびき:毎晩のように続き、途中で呼吸が止まる場合は要注意。

この「病的ないびき」の代表的な疾患が、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。

10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」

呼吸が弱くなる「低呼吸」

一般的には、この無呼吸と低呼吸の状態が1時間に5回以上発生する場合、SASと診断されます。

SASは大きく分けて2種類あります。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)(Obstructive Sleep Apnea)

最も多いタイプで、いびきを伴うことが特徴。

舌や喉の筋肉が緩み、気道がふさがることで無呼吸が起こる。

肥満や顎の小ささが原因になりやすい。

中枢性睡眠時無呼吸(CSA)(Central Sleep Apnea)

脳の呼吸中枢の異常で呼吸が止まる。

いびきがないことも多く、心不全などの病気が関係する場合がある。

特に、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は「いびきをかく人」に多く見られるため、ただのいびきだと放置すると危険です。

次の章では、SASの具体的な症状について詳しく解説します。

「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の症状とリスク

いびきの症状とその背景

いびきは、上気道(のどや鼻)が狭くなることで発生する振動音です。単なる「うるさい音」と思われがちですが、以下の症状を伴う場合は要注意です。

大きないびき(パートナーや家族から指摘されるレベル)

呼吸の停止(10秒以上の無呼吸が断続的に起こる)

口呼吸による乾燥(朝のどがカラカラに渇いている)

浅い睡眠(寝返りが多く、熟睡感がない)

日中の疲労感(睡眠の質低下による影響)

※いびきが慢性化すると、SASや高血圧、心疾患のリスクが高まります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状

SASは、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる病気で、放置すると生活習慣病や交通事故の原因にもなります。

【夜間の症状】

無呼吸発作(「いびき→突然静かになる→ガフギャッと再開」の繰り返し)

窒息感での覚醒(息苦しさで目が覚める)

頻尿(無呼吸によるストレスで夜中に何度もトイレに行く)

寝汗(呼吸停止による低酸素状態で自律神経が乱れる)

【日中の症状】

強い眠気(会議中や運転中でも耐えられないほど)

起床時の頭痛(低酸素による脳血管の拡張が原因)

集中力・記憶力の低下(仕事や学業の効率が落ちる)

抑うつ・イライラ(睡眠不足による情緒不安定)

特に危険なサイン

居眠り運転しそうになる

いくら寝ても疲れが取れない

このような症状がある方は早めにクリニックを受診ください。

「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の原因

いびきと睡眠時無呼吸症候群の原因は多岐にわたりますが、主に以下の5つ原因に分類されます。

気道が原因

最も直接的な原因は上気道の狭窄です。

肥満による首周りの脂肪沈着(特にBMI25以上)や、先天的な小顎症・下顎後退などの骨格的特徴が代表的です。

扁桃腺やアデノイドの肥大、舌の肥大(巨舌症)も気道を狭くします。日本人は欧米人に比べて顎が小さいため、特に注意が必要です。

鼻・喉の機能が原因

慢性鼻炎や花粉症による鼻閉塞、鼻中隔彎曲症などの構造的問題が挙げられます。

また、喉の筋肉の緊張低下によっても気道が狭まります。アレルギー性鼻炎のある人は、鼻づまりから口呼吸になりやすく、いびきをかきやすい傾向があります。

生活習慣が原因

就寝前のアルコール摂取は喉の筋肉を弛緩させ、気道を狭くします。

睡眠薬や精神安定剤の使用も同様の効果があります。喫煙は気道粘膜に炎症を起こし、いびきの原因となります。特に寝酒の習慣がある人は要注意です。

加齢が原因

加齢による喉周辺筋力の低下は避けられない要因です。

更年期以降の女性では、プロゲステロンの減少により気道の筋緊張が低下します。高齢者では若年層に比べていびきやSASの発生率が高まります。

更年期について、詳しくはこちらをご確認ください。

更年期の症状・原因・対策を徹底解説!つらい不調を改善する方法とは?

その他

甲状腺機能低下症による粘液水腫、ストレスや疲労による筋緊張異常、仰向け寝姿勢(舌根沈下)なども原因となります。

特に仰向け寝は重力の影響で気道が狭まりやすく、いびきの直接的な引き金になります。

これらの要因が単独または複合的に作用することで、気道狭窄や閉塞が起こり、いびきや無呼吸発作が発生します。複数の要因が重なるほど症状は悪化する傾向があるため、原因を特定することが適切な治療への第一歩となります。

「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」の予防と対策

生活習慣でできる予防法

体重管理

・BMI25未満を目標に減量(5%の減量で症状改善の報告あり)
・首周りの脂肪減少に特化した運動(首回し運動など)

睡眠環境の最適化

・横向き寝専用枕の使用
・高さのある枕で頭部を15度程度上げる
・寝室の加湿(湿度40-60%維持)

生活習慣改善

・就寝3時間前からの飲酒禁止
・禁煙(気道炎症の軽減)
・規則正しい睡眠リズムの確立

セルフケアでできる対策

・鼻呼吸トレーニング(口テープ使用)
・喉筋トレ(あいうべ体操)
・鼻炎対策(抗ヒスタミン薬の適切使用)
・就寝前のカフェイン摂取控えめ

医療的治療の選択肢

CPAP療法(中等度~重症向け)

・保険適用(検査でAHI20以上)
・最新機種は静音・コンパクト化

口腔内装置(軽度~中等度向け)

・歯科医院で作製するマウスピース
・下顎を5-10mm前方固定

外科的治療

・扁桃摘出術(小児に有効)
・UPPP手術(軟口蓋形成術)
・最新のレーザー治療

受診のタイミング

・いびき+日中の強い眠気
・無呼吸の指摘(10秒以上の停止)
・起床時の頭痛が週3回以上
・高血圧の悪化

効果的な対策の組み合わせ

生活習慣改善+適切な医療治療で、約80%の症例で改善が報告されています。

まずは3週間の生活改善から始め、変化がなければ専門医療機関への相談が推奨されます。

前野町つばめクリニックでの「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」の診断

前野町つばめクリニックでは、「いびき」や「日中の眠気」といった症状に対して、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の有無を慎重に評価しています。

診察ではまず、生活習慣や症状の経過を丁寧にヒアリングし、必要に応じて「簡易睡眠検査」や「精密なポリソムノグラフィー検査(PSG)」を行います。

これらの検査により、睡眠中の呼吸状態や無呼吸・低呼吸の頻度(AHI)を測定し、正確な診断につなげます。ご自身では気づきにくいSASの兆候を見逃さず、客観的なデータに基づいて診断を進めることが可能です。

前野町つばめクリニックでの「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」の治療

診断結果に応じて、当クリニックでは患者様一人ひとりに適した治療法を提案しています。

軽度~中等度のSASには、必要に応じて近医歯科口腔外科紹介し、専用のマウスピース(口腔内装置)による治療を提案させていただき、就寝時の気道の確保をサポートします。

また、中等度以上の方には、CPAP(持続陽圧呼吸療法)の導入もご案内しており、医療保険の適用が可能です。さらに、鼻づまりやアレルギーが原因の場合には、内服薬や点鼻薬などによる治療を併用します。

生活指導にも力を入れており、体重管理・睡眠姿勢の改善・飲酒や喫煙の見直しなど、セルフケアと医療を組み合わせた包括的なアプローチで改善を目指します。

前野町つばめクリニックの治療方針

当院では、「眠りの質を整えることが、日中の元気と健康を支える」と考え、いびきや睡眠障害を軽視せず、早期の診断と適切な治療を重視しています。

治療は単なる対処ではなく、患者様の生活背景やお悩みに寄り添いながら、一緒に改善の道を探ることを大切にしています。

ご自身の症状に「慣れてしまっている」方や、「どこに相談すればいいかわからない」と感じている方も、ぜひ一度ご相談ください。日々の眠りを見直すことは、将来の健康を守る第一歩です。

当院では、「眠りの質を整えることが、日中の元気と健康を支える」と考え、いびきや睡眠障害を軽視せず、早期の診断と適切な治療を重視しています。

治療は単なる対処ではなく、患者様の生活背景やお悩みに寄り添いながら、一緒に改善の道を探ることを大切にしています。ご自身の症状に「慣れてしまっている」方や、「どこに相談すればいいかわからない」と感じている方も、ぜひ一度ご相談ください。

日々の眠りを見直すことは、将来の健康を守る第一歩です。

この記事の筆者

前野町つばめクリニック 院長 

佐々 達郎

東京大学医学部大学院医学系研究科 内科学 博士課程修了
日本内科学会 総合内科専門医
日本循環器学会 循環器専門医

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